2021.08.04 お知らせ

職員インタビュー

帯広はちす園や障がい者施設での仕事へ興味がある方に向けて、職員にインタビューを行い魅力を伝えるコーナーです!
今回は菅原貢施設長へはちす園の仕事についてお話を伺っています。

1.福祉の仕事のやりがいと難しさ

 社会福祉の仕事に従事して早40年が経ち、私が勤めた頃は、未だ「入所施設」と言いながら「措置」という行政の権限で施設に「収容」するという言葉がまだ色濃く残っていました。 勿論、施設生活の主体は利用者でありながらも、やっと集団ケアから個別ケアに向けて、サービスの視点が動き始めた時期であったように思います。しかしながら、私たちワーカーは常に「利用者(クライエント)の自発的な自立生活をサポートする」という目的は何ら今と変わりありませんでした。

但し、時代の潮流は集団ケアから個別ケアへ、与える(措置)ものからサービスを受ける側も提供する側も対等な関係とする「契約」へと福祉の形自体が変容し、本当の意味でのサービスの質が問われる時代となってきました。どの時代においても、支援を必要とされる利用者(クライエント)に対して、常に、利用者主体の適切なサービスの在り方をチームとして考察しながら、状況に応じたPDCAを展開し、利用者(クライエント)の満足、成果に繋がるサービス提供を実践していくことになります。

〇やりがいとは・・・自らが関わることにより、利用者(クライエント)の前向きな意識の形成や成果・達成を共有・共感できた時、また困難なニーズ対応を通じて、専門職として役割を果たすことができた時、仕事を通じて自らの成長を実感したり、自信に繋げることができた時に思います。
〇難しさとは・・・ケースワークの基本として、自らの思いを相手に押し付けてはならず、利用者(クライエント)の意思を第一に尊重した「バイスティックの7原則」に基づく支援を客観的に実践する難しさを感じます。同時に、利用者(クライエント)、ご家族、ワーカーの思いを調整したり、共感に至るプロセスや意思決定に要する時間が限られていることだと思います。

 
2.職場の雰囲気
 
 私のモットーとしては、明るく仲間が信頼し合い、助け合い、目標に向かって一丸となれる組織づくりであり、誰でも自由に闊達な意見が言い合える、風通しの良い職場づくりが大きなテーマです。6年前、異動でこの職場に着任した時は、毎月のように職員が退職していく状況がありました。表面的には「良い雰囲気」を装いながら、この職場には肌の温もりが感じられないことに気付きました。職員相互の配慮がなく、自らの発信(主張)はするが、受け取る側への配慮が不足していると実感しました。その原因は、職員間のコミュニケーション機会が少なく、互いを理解しようとする意識が不足している状況でした。その後、職員の結びつきを強化するために、様々な仕組みづくりを実行してきました。
 
 今では、法人内トップの職員定着率を誇り、職員相互が自分の意見を言い合える雰囲気が醸成され、「考える組織」として、それぞれの立場から様々な意見が出るようになってきました。時代の変化に伴い、古い踏襲の衣は脱ぎ捨て、新しい考え方を身に纏いながら科学、エビデンスに基づく新たな体制づくりが急務であることを認識することで、職員ひとり々の意識が組織の大きな力となりつつあることを日々実感しております。過去の職場状況を反面教師としながら職場に何が必要なのかをこれからも職員と共に考えて参りたいと思います。

3.職場のアピールポイント
 
 組織が最も根幹とすべきものは、職員相互の信頼関係であり、自らが組織の目標のために役割を担い、その責任を全うすることが職員個々に求められる組織ルールとなります。
 
それらが守られなければ、組織の機能不全が生じ、円滑な活動展開ができなくなり、誰かがその負担を背負い、業務の均衡バランスが崩れ、属人的な業務が増えることになります。そのことは、周囲からの健全な牽制ができなくなり、仕方ないという妥協から更なる遅滞をもたらし、正常な組織体制を維持していくことが困難となります。これらが組織力低下の最大の要因となることを認識する必要があります。

 時に、仲間が休みを取らなくてはならない状況が生じた時にも、短期的なフォローは問題ありませんが、長期的、若しくは慢性的な職員の負担や属人的な業務の存在は、組織機能を貶めていくことになります。私たちの職場は、これまで様々な業務の「見える化」を進め、常に誰もが互いの業務内容を理解し、円滑な業務遂行ができるように環境を整備してきました。このことにより、気兼ねなく有休が取れて、残業が少ない職場とすることができるようになりました。

4.どのような人材を募集しているか

 このような社会情勢の中では、多くを求めて選定するという人材確保の手法は採れません。求める人材としては、基本的に、①心身共に健全であること、②相手の立場を慮れること、③約束を守れること、④いい加減な対応をしないこと、⑤仲間との関係を大切にすること、⑥自分に正直なこと、⑦人と仕事を好き・嫌いで選ばないこと、⑧絶えず前向きで諦めないこと・・・等が挙げられます。
 これら全てを兼ね備えていることがベストですが、その幾つかが不足していたとしても、「自らを成長させていく」という強い意志があれば、大丈夫だと思います。

併せて、私ども施設としては、単に職員人材を受け入れるだけでなく、職員を育てていくことができる仕組みを組織機能として醸成していく必要があります。

 職員相互がプロ(専門職)として知識・技術を切磋琢磨することで、提供するサービスの質を高め、職員が共に成長を図ることができる組織づくりを目指しています。

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